Hayakawa tsukasa

元中学教員 現フリーランスのライター。毎日19時にに更新します。Twitter→hy0520__

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日本の教師ってヤバいらしいよ

 

「担任の先生、ウザかったな」

「なんであの先生、経験者じゃないのにバスケ部の顧問になるん」

 

私は元中学教師です、が

自分が生徒だったころは「好きな先生・嫌いな先生」について友達と話し合ったこともあります。

私にとって「先生」は常に身近でいて、学校の中で同級生以上に理解しがたい「未知」の存在でした。

 

広く知られている職業であるにも関わらず、実態は知られていない「先生」という職業。

どうか、ここで「先生」という職業がどういったものか少しだけ覗いてみてください。

 

 

日本の教師の1日って

 

終わりのはじまり

教師の定時は8時15分出勤、16時45分退勤です。

定時なんて夢幻。遅くても7時に出勤し、早くて21時の退勤。

 

テスト期間や仕事が溜まっている時は、6時に出勤し23時に退勤していたので17時間労働でした。朝の5時に出勤したこともあります。

 

「時間外にたくさん働き残業代で儲けている」と、思われることもありますが

教師はもともと、給与に残業代が上乗せされており、いわゆる「みなし残業」という給与制度が適用されています。

 

1か月に頑張って100時間残業しようが残念ながら、給与に変化はありません。

 

朝の会議を終えたら、次は身だしなみが整っていない生徒を正す作業になります。

 

大抵、数人は反抗します。反抗した生徒は教室で授業を受けることができません。

 

別室に入った生徒を入れ替わりで教師が説得し、身だしなみを整えて教室に返します。

 

 

教師は授業が本分

教師にとって授業は、どの業務より大切なものです。

教師が授業中やっていることは「授業をおこなう」ことだけではありません。

 

元気の無い生徒はいないか、忘れ物は多くないか、教室が整頓されているか、身だしなみは整っているか、など

 

生徒の機微に気づくことができる場所が「授業」です。

 

リアルな授業風景

授業開始のチャイムが鳴ると運動場から、カキーンとボールがバットに当たった音がします。

 

「こら!早く戻りなさい!」次に聞こえてくるのは見回りの教師の声です。

 

私は教室で、その声に動揺することもなく、教科書のページを伝える必要があります。

 

いかなる場面であっても授業中に「生徒にスキを見せてはいけない」これは教師としての鉄則でした。

 

例え、自分よりも背の高い男の子に殴り掛かられそうになって、命の危機を感じても毅然とした態度が必要です。

 

さもなくば「舐められる」というさらにひどい展開が待ち受けています。

 

 

昼休みという名の勤務

教師も会社員の方と同じく「昼休み」があります。

「教師の昼休み」=「子どもが昼休みをとっている時間」です。

 

教師が会社員の方の昼休みといわれる時間にやっていたことは

生徒がタバコを吸っていないか、

学校外へでていないか、

勝手に空き教室を使っていないか、などを確認するための見回りです。

 

教師は毎日、昼休みという名の勤務をせっせとこなしています。

昼休み・午後の授業が終わると放課後です。

 

ブラック部活動

と、いう本が出版されるほど部活動の勤務体制はブラック。

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大抵の部活動は16時から18時ごろまで部活がおこなわれます。

 

 16時45分が教師の定時退勤時間ですが、ことごとく無視するブラック勤務体制になっています。

 

ちなみに…勤務経験の浅い教師は厳しい部活動へ、勤務が長い教師は文科系の部活動に割り振られることが暗黙の了解です。

 

部活を終え、18時半に生徒を見送り、ここからようやく自分の業務がはじまります。

 

テストの採点、小テストの作成にくわえて、遠足の会計や翌日の給食のアレルギーチェックも教師の仕事です。

 

仕事を終え、自宅に帰ると24時ごろになります。

 

24時に家へ帰ってから、翌日の授業の予習をします。3時に寝て4時に起きることも珍しいことではありませんでした。

 

教師が1番力を入れたい「授業」は、体力の限界を迎えつつある深夜に作成されています。

 

部活を外部の人に委託すれば、

会計は事務の人がやってくれれば、

給食のアレルギーチェックを給食センターの人がやってくれれば…

 

「教師の本文でる授業に、もっともっと力を入れることができるのに」と、幾度も考えました。

 

「子どもが好きなら教師になれば?」

と、勧めたい、でも気軽に勧めることはできません。

 

 

教師という職業は

精神力があるから、仕事ができるから、子どもが好きだから、それだけで教師を続けることはできません。

 

教師を長年続けることができる教師は「強運だった」ただそれだけです。

  

「子どもが反抗期で親子喧嘩したので仲裁してもらえませんか?」

「近所の川で子どもが釣りしてるんやけど、危なくない?」

 

「教師はどこまで、教師なのか」常々考えています。

 

 

 

 

 

ここまでお読み頂きありがとうございます。

次の更新は明日10月12日の19時ごろです。

 

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